12世代i7搭載NUCの消費電力について
導入
近年巷ではモバイル端末向けプロセッサを搭載した小型デスクトップPCの人気が高まっているという [1] 。
その省スペース性や省電力性からデスクトップ用途だけでなく自宅サーバ用途として使っている人も多いのではないだろうか。 省電力性に関して、近頃の電気代の高騰から、自宅サーバ用途で使用した場合実際どの程度電力を消費するのか気になった。
今回はデスクトップ用に使用するつもりで Intel NUC 12 Pro キット NUC12WSHi7 を入手したが、サーバ用途としてはどの程度使えそうか確認するため、消費電力を実測してみた。
測定条件
以下の構成、パターン、方法で測定を行った。
HW構成
- 本体: Intel NUC 12 Pro キット NUC12WSHi7 (cpuはi7-1260P (16) @ 4.700GHz)
- SSD: SAMSUNG 980 PRO 1TB
- メモリ: Crucial DDR4-3200(PC4-25600) 16GB 2枚挿し
- ケーブル: サンワサプライ 電源ケーブル(1m)
その他として、LANケーブルやUSBキーボード、HDMIは繋いだ状態とした。
測定パターン
OSはArch Linuxを使用して、以下の状態について電力を測定した。
- 電源オフ時
- サスペンド時
- アイドル時(login直後)
- アイドル時(gui起動)
- 適当にCPUに負荷を掛けた時
(使用したコマンドはfor i in $(seq 1 30); do yes >/dev/null& done
)
余談だがbashでfor文の中身をバックグラウンドで実行する場合、最後のdone
の前の&
は&;
だとダメだということを初めて知った😯
測定方法
測定にはサンワサプライ製ワットモニター TAP-TST8Nを用いた。 値は結構変動するので、大体の値を読み取った。
結果
結果は以下の表の通りとなった。
パターン | 消費電力(W) |
---|---|
電源オフ時 | 1.0 |
サスペンド時 | 1.4 |
アイドル時(login直後) | 7.0 |
アイドル時(gui起動) | 7.9 |
適当にCPUに負荷を掛けた時 | 62.8 |
負荷をかけた場合の62.8WはCPU性能的に割と妥当な値だと思った。 しかし自宅サーバは余程忙しいサーバでなければ大抵の時間idle状態だと思うが、その時の消費電力はおよそ7W程度と、かなり低電力であることがわかった。 (ちなみにこのサイトを配信しているサーバはデスクトップ向け第10世代i3を搭載しているが、idle時およそ20W🙁)
メモリの枚数を減らしたりUEFIの設定を最適化すればもっと消費電力を減らすこともできるかもしれない。
まとめ
12世代i7 Intel NUCの消費電力を実測した。 結果はアイドル時でおよそ7W程とかなり省電力であることがわかり、消費電力的に見ればかなり自宅サーバに有用そう。 ただし負荷を掛けた時のファンの音がかなりうるさかったので、そこはなんとかした方がよさそう。
参考
- [1] 超小型デスクトップが今、人気の理由 | 日本HP, https://jp.ext.hp.com/campaign/business/desktops/dm_feature/